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3月29日午後(下鴨劇場第6期生追い出しコンパ)

夕刻六時より、府大の桂会館にて下鴨劇場第6期生の追い出しコンパがあったので、呼ばれて出席してきた。
残念だったのは、卒業回生4名のうち、2名しか出席しなかった事か。まあ、この二人と、OBのナカノ実験室が飛ばしまくったので、そのフォローにまわるのに必死で殆ど酔う事はできなかったのだが。

3月29日午前(たまには、こんなオタク的文章も良いか)

半年ばかり見続けたアニメが二本ほど相次いで終わって、つい先刻に見終えたので、感想でも書くか。

「Canvas 2」
うーむ最後にこうなっちゃうんだなあ。エリスENDとはなあ・・・薄々予想はしていたけど、個人的には霧ENDで押し切って欲しかった。そちらの方が話としてはスッキリしていたような気がするんだけどなあ。
こういうシリアスなストーリーが展開するアニメも好きなのだ(平素が殺伐とした記事を読んでボロカスにけなす論評ばかり書いておりますので、バランスを取るために)が、どうも見ていると感情移入しすぎて、こういうストーリーのアニメを同時に複数見る事は困難である。そんなわけで「ダ・カーポ〜2nd season〜」は途中で見るのを止めたのだが。

「灼眼のシャナ」
ライト・ノベル原作のアニメという事で、原作はアニメよりも遙か先の部分を突っ走っているが、取り敢えずTVアニメシリーズは今日が最終回。そうしないと、色々と不都合が出るのだろう。原作の方は、時折書店で拾い読みをする程度であるが、未だ山場が影も形も見えていない、といった印象を受けた。
で、終わり方だが、・・・エヴァンゲリオンみたいですね。いや、エヴァは最後の二話分くらい見るのを止めて以来、見ていないから印象論にすぎないのだが。でも、TVシリーズ終了→映画化、というのは、完全にエヴァのパターンである。
どーでも良いけどこのアニメ、時間枠間違えているよな。ゴールデンタイムでやるべき番組だったんじゃないかな、本来。上の「Canvas 2」と違って、原作ギャルゲーという制約はないんだから、次はゴールデンで見てみたい。ん?それでも、結局ビデオに録画して晩飯を食べながら見るという構図は変化しないか。

それにしても、アニメの感想をこんなにダラダラ書くとはな・・・京都に定住を始めた頃には思いもよらなんだ。あの頃は、ひたすらにアニメ沙漠地帯である事を嘆くしか能が無かったからな・・・隔世の感がある。

3月26日(古代史研究会例会報告終了)

ただ今、溺死寸前。根性で、この「消息」を打っております。

本日は、古代史研究会第五回例会での報告があったため、2時間弱の睡眠でレジュメと喋り用のペーパーを作成し(ただし、未完成)、府大の研究室(誰もいません当然ですが)でリハーサルをやり、レジュメを刷って、昼前に京大へ。百万遍交差点で今一人の報告者とバッタリ出会い、あれこれ話をしながら研究会の会場へと向かう。

本日、私の順番は二番手で、報告のタイトルは
「ポリュビオスのバルバロイ観」
と題するモノであった。順番が来て、壇に立って部屋を見渡して、思わず愕然となる。やけに人が多いのだ。何故?大会でもないのに?どうやら、何処かの学生が大量に見学に来たらしいが、思わず喋る調子が上滑ってしまう。上滑るといえば今日の報告がそうで、研究も順調からはほど遠く、報告の内容は、題目で示したような目的への最初の段にようやく足がかかったかな?という程度のところである。しかしまあ、今日の報告なんて無茶な事を言っているなあと自覚していたから、皆さんに内容が伝わったかどうか、些か心許ない。
そして懇親会。府大の考古の院生たちがお世話になった、父の母校の先生とあれこれお話が出来て愉しかった。で、ここまでは何とか保ったが、それが限界。帰宅しながら、体がフラフラしてとても危険な状態だった。

それにしても、昨日分の「消息」、面白い具合に壊れているな。

3月25日(修羅場というな、甘ちゃんが!)

召集令状によれば、明日が新兵徴集の出頭日になっているなあ国民・・・

以上、笑えないネタです。

明日の研究会での報告のため、本日は修羅場。いや、正確には本日「も」修羅場。何とか頑張れば、結論まで出るかな?いや、出さねばならぬ。せめて、見通しくらいは立てておかなければならぬ。しかし、どーにもローマという厄介な難敵を片づけないと、今後の見通しとしては不完全だな。いやしかし、私はローマを専門にするのは3回生の時にやめているハズなのだ。出来ればご遠慮したいものだ。これも、パックス・ロマーナの威光の為せる技か?
こんな修羅場の時に、息抜きでタマに開いているのが『こみっくパーティー』である。洒落になっていない。修羅場の時に、毎月(ぁ)修羅場しているオタクの物語を読んでどうするのだ、私は。
いや、修羅場には慣れているハズではないか?学部生の頃は、全く決まらない音響の選曲で、芝居の度に耳と平衡感覚を壊していたというのに、あのころの経験が全く活きていないような気がする。嗚呼、愚かなり我、従って愚僧。まあ、何だかんだ言っても3時間くらい睡眠を取っているし。
おかげで、折角、一昨日に下鴨劇場の後輩に肩を揉んでもらったというのに、元の木阿弥である。本当、追い出しコンパとか行って酒を呑んでいる場合ではないのである。もっと言うと、「消息」を更新している場合ではない!

同人やっている人とかって、イヴェント前にはこんな状態なんだろうな・・・
レパぐらい書ければ、言う事はないんだが・・・

3月23日(ウン回目の卒業式)

今日は京都府立大学の卒業式という事で、11時半に府大に行く。予想はしていたが、昨年とは打ってかわって、薄曇りの暖かい、良い季候の一日。
考えてみれば、私の記憶の限りでは、集合写真に影響するほどに天候が悪かったのは、2001年度・2004年度の二度しかない。つまり、二度とも私の卒業式の時である(号泣)。ああ、嫌だ嫌だ。一緒に卒業式に出た皆さん、本当にすいません。別に私の責任じゃないけど、全て私が悪いんです。
それはさておき、会場のコンサートホールに昨年博士論文を出した方と一緒に様子見に行ったのだが、他の院生は誰も来ていない。ついでに下鴨劇場の後輩も殆どいない。辛うじて、3人くらい来ていたのかな?まあ、卒業式に顔を出すのが趣味などという変人は、そうそういるもんじゃないか。
不幸にして史学科の大学院を修了した3人とは遭遇できず仕舞いだったが、代わりに史学ゼミの後輩や下鴨劇場の後輩には、挨拶する事が出来た。本日の私の役どころは、カメラマン。まあ、被写体にもさんざんなったけれども。史学ゼミの後輩は5人揃って無事に卒業できて、良かった良かった。次に会うのは、何時の日かな?
ある後輩なんぞ、もう結婚が決まっているし(また、一期生をさしおいて華燭の典を挙げるものが一人、か。ほんと、谷底の一期生は誰が一番最初に式を挙げるんだろう?)。式はやらないと言っていたが。やるんだったら、二次会くらい呼んで欲しいものである。
で、夕刻は大学院の追い出しコンパ。座ったところが狭くて難儀した。

3月18日(公開シンポジウム始末記)

本日は、うちの大学の公開シンポジウムの為に朝から動員されていた。「旅ともてなし・にし・ひがし−西欧との比較−」と題されたシンポジウムだったが、生憎の雨で、客足は伸びなかったのが残念である。まあ、情宣不足とか(こんなのはしょっちゅう言っとるな)、会場のウイングス京都が解りにくい場所にあるとか、要因は色々あるんだろうけど。
何よりも疲れたのは、一日中雨の中を着慣れないスーツを着て、革靴を履いて駆けずり回っていた事と、今まで一度も使った事がないパワーポイントの操作を担当した事。
・・・まあ、そりゃ、受付は無理でしょうねえ。受付を担当した人から、
「外から見えるところに立たないで下さい」
と言われてへこんだくらいですから。ええ。
それはさておいて、日本史や西洋文学畑からの報告を織り交ぜたりと、かなり面白い報告が多かったから、もう少し狙い方を考えた方が良かったのかな?情宣というのは、いつも難しい問題ではあるが。
ちなみに、ラインナップは以下の通りであった。もうちょっと早めに宣伝とかした方が良かったのかな・・・

■渡邊 伸(京都府立大学文学部助教授)
 「3日の客人誰にも負担 −西欧中世都市の宿−」
■青地伯水(京都府立大学文学部助教授)
 「20世紀初頭ウィーン子のギリシア旅行」
■加藤丈雄(京都府立大学文学部助教授)
 「別れと出会い、あるいは、ドイツ文化における旅の役割 −シュトルムの故郷フーズムのホテル・オーナー、イェンゼン氏の場合、そして『聖ユルゲン養老院』−」
■上田純一(京都府立大学文学部教授)
 「湯治場の娯楽 −中世の有馬温泉−」
■山口美知代(京都府立大学文学部助教授)
 「機関車トーマスを走らせるボランティアたち −もてなしの余暇活動−」

個人的な事を言うと、あまり「もてなし」の方には縁が無い人間かもしれない。くどいようですが、
「先進国には惹かれない」
という、困った人間ですので。

3月16日

WBCで日本が韓国に敗けて、準決勝進出がほぼ絶望的になったらしい。
残念、という人もいるみたいだが、むしろ自業自得じゃあないのか?2004年のアテネ五輪の時もそうだが、足並みも揃わないまま、小手先だけの「改革」でお茶を濁してきたツケが、遂に「格下」と見なしてきた韓国に敗けた事で明らかになっただけの事だ。
これで少しは、目を覚ませば良いのだが。でも無理かな。セ・リーグがプレーオフを再来年度からやるという大愚断を下す始末だし。

本日は、日中は先生のお手伝い、夕方は史学ゼミの追い出しコンパ。何回追い出したかな?とは考えないようにしているんだけどね、やはり考えちゃいますね。しかし私は卒業生たちのいないテーブルに最初は座していたモノだから、隣のOさんとかFさんとかが物凄く濃い濃いトークを展開していて、常に味付けが薄目の私としては吐いていけないというのが辛いところでありました。

3月12日

旧ユーゴスラヴィア連邦のスロボダン・ミロシェビッチが死んだとの報が伝わってきた。ユーゴ問題研究者の千田善氏(ストイコビッチの引退試合で号泣していた人)に言わせると
「この男がいなければ、ユーゴはあそこまでグチャグチャにならなかった」
という事である。そのような評を読むと、あの人物が国際戦犯法廷に被告として立つのは当然であるのかもしれない。
未だに煙がくすぶっていそうなベオグラードの旧中国大使館、サライェヴォの前線近くの建築物群・・・私には衝撃だった。同時に、こんな国を束ねていく事の困難さを思わずにはいられなかった。

ただ、国際軍事法廷というやつ、私はどうにも違和感を感じる。勝者がしたり顔で敗者を裁く、という構造が見えて仕方がない・・・何よりも、本来ならば誰よりもあそこの場に立たなければならない人間が、中東の某ジオニズム(隠語です)国家の執政を平然とやっているという構図が、どうにも我慢がならない。

3月7日(月例(?)映画鑑賞vol.2「THE有頂天ホテル」)

映画が終わってスクリーンの中の幕が下りた瞬間、拍手しそうになって、あわててその手を急停止させた。続いてアンケート用紙をまさぐりかけている自分に気が付き、思わず苦笑してしまった。

三谷幸喜脚本・監督の「THE有頂天ホテル」を、20時45分から二条駅前の東宝シネマズ二条で観てきた。三谷作品を映画館で見るのは、多分これが初めての経験じゃないかと思う。
で、感想だが、一言で言うと、
「良い『芝居』だった」
というところ。一緒に観た友人も、同じ感想を漏らしていた。
そう、基本的に、三谷映画は小劇場でやる芝居を映像化したモノである。だから、他の監督が撮るモノよりも、音の入れ方や場面転換の仕方が、遥かに演劇的なのである。おかげで、普段、芝居小屋でしているような行動を取りそうになってしまった。
しかし、繰り返しになるが、良い芝居だった。また次の三谷さんの作品も見に来るとしよう。

3月5日(下鴨劇場第9期生新人公演)

うららかな春の日、本音では一日中ひなたぼっこをしていたかったのだが、下鴨劇場第9期生新人公演「G・G」を観てくる。隣席に、お世話になっている西洋文学のドイツ語の先生が座して、びびった。考えてみれば、9期生のうち府大生は3人、その全てが西洋文学でしかも第二外国語がドイツ語であれば、無理もないか。会場のクラブボックス外練習場は、音がやたらめったら響くのだが、来るたびに感慨が深くなってしまう。
今日一緒に観た同僚の一人の、
「今年で下劇も10周年だからね」
というコメントに、思わず慨嘆のため息を吐いてしまう。そんなに永い事、この大学に席を置き続けて居るんだ・・・

そんな下劇の後輩も、今年は二人ばかり目出度い事があるらしい。呼ばれても呼ばれなくても、ドンチャン騒ぎをしよう。

3月4日

京大にてケンブリッジ大学のジョン・パタソン博士の講演会があったので、出席して拝聴してきた。今日は、通訳が居ないのがきつかった・・・話の内容はかなり面白かったのだが、何しろそこは専門外、フォローしきれなかった。最近はローマ史も帝政期をやっている人が多いように思うのだが。
懇親会の時の方が厳しかった。何しろパタソン博士の座した席は、私の隣の隣。隣席の方たちがあれこれと博士に浴びせる質問と応答を、じっと聴いていた。これだけでも、えらい勉強になる(勿論、とてもじゃないが全てフォローしきれるわけがない)。

さて、イラクで香田証生氏を殺した下手人が見つかったらしい。
この件に関するコメントはない。
ただ一言だけ。
マスコミ各位、勉強してから報道なり論評なりしなさい。

3月2日

原稿ラッシュ、一段落。多分、一段落。後は修正して関係各所に送れば良いだけ、のはずである。おかげで、昨日バイトを休みにしていた意味を思い出した。映画に行くつもりだったんじゃないか・・・「有頂天ホテル」、観に行きたいなあ。いやまて、スピルバーグの「ミュンヒェン」をボロカスにけなす仕事があったっけ。
後は、今月末の報告レジュメを作ればいいのか。ネタが足りねえ!こんな状態では、3月中は帰省するのは無理だなあ(←実家向けアナウンス)。月がかわったら、帰省できそうだったら帰省します。

2月27日(私は最新型のオタクではない、多分)

珍しく、連続更新。
最近は原稿にかかりっきりの事が多く、以前とは異なる事ながら、下宿のPCとにらめっこという日々が続く。PCを開いていない時は、打ち出した原稿とにらめっこという日々。そんな時には、平素はまるで使用していないオーディオ機器がフル稼働。特に、CDプレーヤーが最近は使用頻度高し。
反面、ギリシア語のリハビリ代わりに読んでいるクセノポンが全然進まない。
現在、エンドレスでかけているのは、先週23日に新京極アニメイトで購入してきたガンダムSEED DESTINYの主題歌集。絶品。TMレヴォリューションと有坂美香と玉置成実とケミストリーが一緒にぶち込まれているCDは、まずお目にかかる事はないはず。特に有坂美香は素晴らしい!ついでに、CDと一緒にくっついて来やがった(おかげで値が張った)DVDには、OP&EDのフィルムが入っている。これも絶品。私は1クール(三ヶ月)弱しか観ていなかったが、それでも主題歌は良いモノそろい。

2月26日

卒業旅行シーズンという事で、私のバイト先には最近、客が多い。通常であれば暇な時間帯が多いので、眠気覚ましや暇潰しに本を読んだり日記を片づけたり出来るのだが、ここ数週間はそれが到底出来ない。昨日もそんな感じで、締め切り間近の原稿を見直す予定が元の木阿弥と帰してしまった。
個人的には、うちのバイト先、つまり関西空港行きのバス乗り場を集合地にするのは間違いと考える。およそ空港バスの担当をやっている人間の発言とは思えないだろうが、集合地は空港にすればいいのだ。バス乗り場などで集合したら、絶対に足並みが乱れる。そういうケースを山ほど見てきた。そんなバイトの後に呑みに行って、下で書評した本を肴にしていたら、眠気もあって簡単に酒が回った。
そして今朝も眠気は残ったまま、大学に行く。研究室の有志数名でカラオケに行ったら、途中から私の歌の時だけやたらめったら皆が爆笑するのである。何故かね。こんな具合では、彼らが「谷底どっきゅん倶楽部」のカラオケに顔を出そうものなら笑いの海の中で溺死してしまうだろう。あ、それでも井上陽水を歌った時は、どっきゅんの連中も、みんな逃げ出したっけ・・・

2月24日(書評 北野幸伯著『ボロボロになった覇権国家(アメリカ)』

私が現在講読している無料メールマガジンの数は多いとはいえないが、そのうち一つが北野氏が発行している『ロシア経済ジャーナル』である。それらのメルマガをまとめ、整理したものが本書である。出版は昨年1月であるが、内容については大体の想像が付いていたという事もあり、また行きつけの書店であるアヴァンティブックセンターの店頭に何時まで経っても並ばないという事情もあって、ついつい手を出しそびれていた。
しかし、考えてみれば本書の値段1500円は、せいぜい新書や文庫本の二倍強に過ぎない。それに、著者のメルマガは、私が現在の国際情勢を観察・分析するにあたって、カイロのアモーレまる氏の記事と並んで最も信をおくものである。ならば、本書の値段はむしろ格安といって良いのではないか?そう考え、遂に生協に注文するに至った。注文から3日ほどで入荷し、読了までには一週間とかからなかった。

本書の第一の特徴は、何と言っても著者の
「きれい事を言わない!」
という徹底したスタンス。
「外交にあたっての国のスタンスは『金儲け』」
「日本は、アメリカ『幕府』の『天領』」
といった、日本の生真面目で純真な学生や学者が読んだら引いてしまいそうな台詞がズラズラと並んでいる。
特徴の第二は、著者の経歴と立ち位置。1990年にモスクワのエリート養成専門学校に留学し、卒業後現在に至るまでモスクワに居をおく一方、ロシア・カルムイキヤ自治共和国の大統領顧問を務めているとの事である。従って、ロシア連邦の上層部と関係が深く、また西側諸国(同時に日本人知識人たち)を縛る
「民主・共和制こそ絶対的正義」
という視角から自由である。
なにより、ソビエト連邦の崩壊を眼にしているという点は大きい。私は、こういう経歴を持っている人の意見は大体信用がおける、と考えている。
そのような経歴から、彼の見方はロシア国政を動かすクレムリンの人間たちがどのようなものの見方をしているのか、という点に関する認識が深い。
無論、そのような経歴から、彼がクレムリンの日本向けの代弁者に過ぎない、との見方も可能であろう。しかし、そうであったとしてもさほど問題とする事ではない。というのは、北野氏のメルマガや著書における国際情勢分析は、極めて正確に物事を見通しているからである。
共同通信発の外電などをみていると、プーチンの支持は低下しているような印象を受けるであろう。ところが、北野氏のメルマガを講読している人間にとっては、それが全くアテにならない、という事が解る。ロシアの人々は、自国を滅茶苦茶にした自由主義経済や民主主義にアレルギーを抱いている、との分析を手にしているからである。つまり、独裁者でも自分たちを豊かにしれくれるのならば、全く問題にならない。何と言っても、今ロシアでは国家を作っている真っ最中なのだ。問題は、政治のやり方が独裁的であるかどうかではない。国を作るのに有効であるのかどうか、それが問題なのである。

さて、本書については殆ど穴がないが、同氏のメルマガについては唯一、難点があると考える。それは、中国に関する分析である。どうも、この国の内政に関してだけは、やや分析が甘いのではないかと思う。すなわち、チベットやウイグルなど、中国国内の少数民族が人民政府や漢族に対して抱いている憎悪を、些か軽く見すぎではないかと思うのだ。中国の国策は、少数民族の文化をローラーにかけて叩きつぶしているようなものである。

ただし、繰り返すが、それ以外の点においては(彼のメルマガ自体に関しても)殆ど穴がない。出版から一年というタイムラグは、逆に北野氏の見解とこの一年間の世界情勢の推移を比較する事を私に可能とさせ、その結果、北野氏の見解の正確さを、一層深く確信する事となった。
現在の国際情勢を見るためには、不可欠の一冊という事が出来よう。
1500円は、破額の安価といって良い。もし内容について知りたいと思うのであれば、メルマガ『ロシア経済ジャーナル』のバックナンバーを読まれると良いだろう。

2月16日(日本の珍習を逆手に取ったネタ)

雨であるが、午前中はバイト。おかげで、睡眠が著しく不足している。
午後は、京大近くのコピー屋で高津春繁著『ギリシア語文法』文法編の複写作業に時間を取られる。府立大に帰ってきて、新人公演練習中の下鴨劇場一回生の所に顔を出し、
昨年に引き続いて今年もプレゼントしてきました。2日遅れのバレンタインデープレゼント、今年は徳用大袋のロッテパイの実です。間違っているとかそういう意見は受け付けません。私はそういう男です。

2月11日(シンポジウム報告)

蹴上の京都国際交流会館で行われた、京都府立大の国文学・中国文学専攻主催のシンポジウム「日本と中国の演劇空間」を拝聴に行ってきた。
一応、昔は芝居もやっていた事だし、こういう事に無関心ではいられない・・・というのは理由の半分に過ぎない。メインの理由は、学部棟内で遭遇した国中文学専攻の某A教授から直々にお誘いを受けたのと、旧知の人間に会う事もあろう、と期待していったのである。案の定、1年ばかり会っていない下鴨劇場の同僚Y氏に遭遇し、隣席に座ってシンポを拝聴していた。客席がかなり混み合っていて、空席があまり無かったのだ。
ちなみに中国の劇というと京劇とか崑劇とか色々あるみたいだが、日本の代表的演劇として比較の対象にされたのは、能。諸発表を総括するコメントをしたのが西洋文学の先生というのが面白い所だった。結論は、
「能は『この世ならざるもの』を上演する場。だからリアリズムが無い」
というモノだった。いやあ、面白かった。

取り敢えず、「覇王別姫」を借りてきて観るか。

2月9日(こんな一日もたまにはあるか)

大学院の会議が昼からあったので、出席してくる。昼までは下宿で本を読んだり作業をしたりしていたのだが、一昨夜の突発的不眠症の影響で未だ睡眠不足が続いている状態。
会議の後は研究室で大漫談大会になってしまい、勉強にならないという一日のオチであった。

2月6日

今日の3時半からの補講をもって、本年度の講義日程が終了した。
何とか、乗り切ったか・・・

改めて思う。雑な一年だったなと。

2月1日

また体調を崩しました。
ここのところ、無理をするとすぐに体調を崩す。寒さの所為だけではないな。
昨日まで書評にかかりっきりで、それが体調に影響したかな?何とか締め切りを守る事が出来て良かったが。

さて、今日は12時近くまで寝た後、河原町のMOVIX京都へ。ハリー・ポッターシリーズ最新作「ハリーポッターと炎のゴブレット」を観てくる。ハリーポッターを映画館で観るのは初めてだが、さすがに凄い迫力。ただ、ダイナミックさという点ではこれまでの作品の方が上だったかな、という所が少し残念だった。でも、やっぱり映画は映画館で観るのが良い。それを久々、実感した。

その後は、四条川端某所へ。友人つかちー氏の修士論文打ち上げ。

1月30日

「散漫」
というのが、愚僧の旅行記の特徴かと思います。
2001年、大学で後輩の手を借りつつ冗談でHPを立ち上げ、その後に違大なる(誤字でありません)珍友H氏の協力の下でサイトの体裁を整えていった時に考えていたのは、旅の写真をメインとしたサイトにしようという事でした。
ですから、サイトをスタートさせて8ヶ月後に旅行記の掲載を開始した時には、既に語りたい事のかなりの部分を、サイトで掲載している写真の説明コーナーで語ってしまっていました。
今、旅行記だけを改めてまとめ直すという作業を気分転換にやったりしていますが、そういったバラバラに飛び散ってしまった言葉の欠片を再編するのにえらく手間取ります。
でも、結構楽しいです。あの時の感覚を、また手元に引き戻す事が出来るのですから。
王子も今、同様の事を苦しみながら楽しんでいる事だと思います。お互い、楽しみましょうや。

上記は、旅仲間の一人である、「チャリダー王子」こと本郷氏のサイトに書き込んだ内容を、殆どそのまま引き写したものです。
何となく、「日々の徒然」にピッタリの内容ですので、持って来ました。

1月29日

夕食を食べながら、日曜洋画劇場で放映された張芸謀(チャン・イーモウ)監督の「英雄」(HERO)を観ていた。あの映画のセット、西安郊外でよく似たセットを見た事があるから、多分それだろう。
トニー・レオンもジェット・リーも格好良くて好きな映画なのだが、観ていたら話の作り方が黒澤明の「羅生門」に似ているなあと感じた。まあそれだけの事であるが。

1月28日

パレスティーナでハマスが勝利したらしい。
騒いでるけれども、何を騒いでいるんだろう。この数年の情勢を踏まえたら、対イスラエル強硬派が勝利するのは当たり前じゃないか。むしろ、ハマスが選挙に出た事自体を驚くべきじゃあないの?
「どうしよう」
なんて騒いでいる連中は低能にしか見えないし、
「和平が後退する」
と騒いでいる連中は無能にしか見えない。更には、パレスティーナに対して経済的圧力を強める事でハマスを牽制しようとしている欧米諸国のやり方は、私には人非人の行動にしか思えない。
中東情勢の感想はひとまずそこまで。

昼は研究会だったが、夜はアトリエ劇研に行って、友人たけちゃんの出演する、ワンダリングパーティー「21世紀旗手」を観て来た。一言で言うと、グチャグチャな芝居。こういう、すっきりと笑える芝居はかなり好きだ。終わりが尻切れトンボだったような気がしたが、まあいいか。うん。

1月27日

本日をもって、2005年度の通常講義日程終了。今日は2・3・4限が講読の授業で、終わったらへろへろだった。昨日の酒が残っていたのかな・・・

今年は一年、専門の研究とは直接かぶらない事に追いまくられていたような気がする。今までの不勉強の報い、とも言えるかもしれないが。
夏のエジプト旅行では、やけに年齢を感じた。笑われるかもしれないが、旅人としては「年寄り」になったのかな、と不安になった。

そんな事を思いながら、本が山積みになった下宿でパソコンを打つ。

1月23日

先週金曜日に引き続き、今日も京大文学部図書館で借りた本の複写に時間を費やしていた。通常であれば1時間ほどで終わるのだろうが、閲覧を希望した本が、何と袋綴じの状態。ドイツで出版された書籍、それも古いモノは袋綴じのモノが多いという事は指導教官から聞いた事はあるが、まさか自分がそれの開封作業をするとは思わなかった。200頁ほどの本を切り開く作業は、やたらに時間を食った。
そう、私が閲覧希望をした本も古い。1935年初版の本が64年にリプリントされたモノだから(こう書いて、何の本か解らない人が圧倒的に多いと思うので書名を出します。Hermann Bengtson, Die Strategie in der hellenistischen Zeit というのが、その本の著者と書名です) 、40年間、開封した人がいないままの状態であったという事になる。思わず、愕然としてしまった。ヘレニズム時代研究の基本文献のひとつなのに・・・私の研究分野の現状を如実に表しているような気がして、何だか暗澹とした気分になってしまう。
年明けから文献を集めまくっている所為か、下宿に論文のコピーをファイルしたモノがたまってきた。整理が必要だな。いやいや、それよりも読まないと・・・どうせ、三月末まで、整理する暇はないんだから。

1月18日

風邪のため、ここ2日間の平均睡眠時間が9時間という状態。おかげでかなり体調もよくなってきた。
こんな状況ではあっても、2日連続で京大文学部図書館に資料閲覧行っていたりするから、まだ結構丈夫か。
特筆事項としてはないので、多少時事に関わる事を。

イランの大統領アハマディネジャドの発言が、連日紙上を賑わせている。
不勉強を些かも恥じる事がない日本のマスコミにとっては、分析するまでもなく発言がド派手なこの大統領の存在は有り難いだろうが、それにしても昨年報道されたひとつの「問題発言」については、私は異論を述べたい。
いわゆる「ホロコースト否定発言」である。
上にリンクを張った記事は共同通信のものだが、朝日も全く同じような書き方でこの発言を伝えていた。この記事を読んだ際、私は失笑を禁じ得なかった。イランの大統領に対してではない。この発言の真意を欠片も理解していない(あるいは曲解しかしていない)報道の仕方に対してである。というのも、私はここで報じられた内容が、アハマディネジャド発言の全てを伝えたモノではない事を前もって承知していたからである。
すなわち、彼の発言は、

「本当にホロコーストなどというモノがあったのか疑わしい。もし本当にあったのならば、欧米はその責任をとってイスラエルをヨーロッパの何処かに作るべきだ」

というのが、その趣旨の全容である。
もとより、私はホロコーストを否定する気など無い。しかし、ここに挙げたような発言の全容を承知した後ならば、アハマディネジャドの本音がホロコーストの否定にあるのではない事も、欧米諸国の「怒り」が何処に根ざしているのかも容易に理解出来るだろう。
そりゃそーだ、イスラエルという存在は、ヨーロッパにとっては厄介払いと自己満足を充足させ、さらにアラブへのクサビの役割を果たすという一挙三得の存在だもんね。すなわち、これまでの迫害の対象に己の国を持たせ、更にはそれによって、イスラーム教徒が多数を占めるオリエントの地に紛争の種を、それも欧米の後援によって埋め込んでおくという、実に質が悪い事をやっているわけだから。
だから、アハマディネジャドの発言はイスラーム諸国にとっては受け入れやすいだろうし、痛いところを突かれた欧米諸国は「逆ギレ」するしかないでしょうね。で、中東諸国からの発言が一切報じられていない背景について書いた記事を私は読んでいないのですが、どういう事でしょう。

ただ、この大統領の選出の背景には、ハタミ前大統領の融和姿勢が全く米に受け入れられなかったイラン国民の絶望があるわけだが(参考記事はこちら)、この発言の結果、アメリカを刺激するだけにとどまらず、ヨーロッパ諸国の反発まで買ってしまうのが問題だろう。せっかくアメリカとEUがあまりソリが合っていないこの時期、このような発言が続いてはヨーロッパ諸国もイラン寄りの姿勢をとりにくくなる。結果として、ワシントンがほくそ笑むだけ、という事態になりつつあるような気がする。

1月15日

バイト後、午睡をしてから大学に行く。後輩に指摘されて気が付いたが、最近は休日に大学でインターネットを見る事が出来なくなっている。私は下宿でネットサーフィンが出来るから良いが、この状況は困る人がいるでしょうに、何時の間にこうなってしまったんだろうか。
それよりも今日は体調がボロボロですな。明日が心配だ。

1月13日

演習の報告が終わった。とりあえず、ボロボロ。今まで手を出してこなかった分野に没頭しすぎた所為かな・・・いや、それよりも三月末に予定がやたらに立て込んでしまった。不幸の手紙、いや、召集令状が・・・赤紙が吉田山から・・・ここから先は言わないでおこう。

1月9日(徒然なる日頃)

寒くてたまらないのはともかく、昨日から今日にかけては、通りがかりの親切な方に教えていただいた、掲示板への荒らし対策に狂奔していた。
時間はかかるが、自分がウェブサイト制作に関して如何に素人であるか、改めて痛感する次第。
それよりも眼が疲れる。眼精疲労には注意をしないと。なにせ、こういう場合に参照するサイトは背景が真っ白である事が多く、目にはすこぶる悪い。

1月5日

昨夜は、古畑任三郎ファイナルを観ながら飯を食べていた。イチロー選手がゲスト出演していたものだから、つい・・・古畑任三郎を最初から最後まで観たのは、初めての経験かもしれない。さすが三谷幸喜脚本、面白い。イチロー選手を出そうと考える発想もまた、面白い。
ついでながら、今日も今、観ながらPCを打っています。

1月4日

昨日は、箱根駅伝をみながらパソコンを打ち続けていた。今年の箱根、予想した人は皆外れたんじゃないだろうか。とてつもなく興奮する展開だった。おかげで大学の研究室に行くのが遅くなったが、いずれにしても研究室は寒かった。
今日は大学全体にヒーターがかかっていたから多少はマシだったが・・・まあ、うちの下宿に比べたらねえ、そりゃ遙かにマシか。

1月2日

あけましておめでとうございます。
餅つき・新年会など、実家での用事が全て終わって、やる事が無くなったんで京都に戻って来ました。この何かと慌ただしい年の瀬に、東京〜名古屋とまわって、つくづく私は阿呆だと思いましたが、私よりも豪快かつぶっちゃけた生き方をしている人たちから元気を分けてもらいました。
結論:年末年始は日本中を駆け回ったりしない方がよい。
それでは、東京・名古屋の年末年始レポートをご覧ください。
例によって段差を付けて表示しますので、全画面表示でご覧ください。

12月31日(終わり悪けりゃ何だというのだ)

大晦日、違大なる珍友・山口霞夢氏と名古屋駅で会食の後、大須に行ったのが間違いだったのかどうか・・・自転車の鍵を失くしてしまった。よりにもよって大晦日にこんなアクシデントが起きなくても・・・

12月30日

夜行電車で帰名してすぐに、実家での餅つき。殆ど睡眠もとっていないのに、無茶な・・・今年もずっと手返しをやるわ、子供たちの相手はするわで大変であった。

12月29日(世界最大の「祭り」)

午前中、荷を宿に預けて新宿で友人と会い、その後は東京国際展示場、別名東京ビッグサイトへ。
一応、今回の東京訪問は、毎年お盆と年末に(・・・ものすごい傍迷惑な時期なのよね、どう考えても)、東京ビッグサイトを借り切って行われる世界最大のオタクの祭典、コミックマーケットの見学である。すなわち同人誌の展示即売会である。
「往時はアニメの同人誌ばかりではなかった」
と立命館大学の鉄研サークル副部長を務めた違大なる珍友・山口霞夢氏は言うのだが、今やそういった「堅い」系統のサークルは二番手以降に追いやられていってしまっているらしい。今日のビッグサイトはやたらに女性のサークルが多い。どうも今日はそういう日らしく、男性サークルや、旅行系・ゲーム系といったようなところは明日が本番との事。おかげで、周りを見渡せばBL系の同人誌ばかり(大声では言えないから、後刻食事をしている時には「801系統」なんぞと伏せ字にして言っていた)。 
秋葉原で会食の後、鎌倉市内某所で、はるこ先生と会って雑談。予定していた所用が果たせなかったのは残念だが、差しで話すのは初めてだし、なかなかに楽しい一時であった。

12月28日(東京への道すがら)

昨日、京都を発ってからは東海道本線で一気に大垣まで出たのだが、途中の彦根を過ぎたあたりからは、ものすごく雪が積もっていた。駅のホームには、分厚い雪の層が形成されていて、そちらに視線が釘付けになってしまう。この雪は、尾張一宮を過ぎるあたりまで、視界を支配し続けた。大垣からは冬の特別列車・ムーンライトながら92に乗車したが、椅子も確保済みであった為に、何とか東京まではゆったりと座って、少しは睡眠もとる事が出来た。
翌、今早朝。神保町の宿の部屋は8人部屋、地下に二段ベッドが4つばかり並べてあって、ついでに携帯電話の電波が通じないから驚く。こんな状態では、地上にいる時しか連絡が取れないではないか!
そんな感慨はさて措き、まずは東京ドームの野球博物館へ。なぜそんなところに行ったのかというと、野球殿堂の仰木さんのプレートの前で黙祷を捧げる為である。
その後は、ひたすらに神保町を堪能する。しかし、時期が悪い所為か、あまり収穫は無し。びっくりしたのは、『トルコのもう一つの顔』が100円で売っていた事。さすがは神保町である。
夜は、新宿で旅の仲間であるちー兄ちゃんと王子の二人に会って食事。常々、私の旅行など惰弱者丸出しだ、と放言しているが、その言葉を裏付けるのがこの二人の存在。どちらも、無茶苦茶ギリギリの旅行をしているからなあ。いや、生き方そのものがギリギリで、話を聞いていると面白い。まだまだ私も、軟弱者という事であろう。

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