☆オアシスの風景


スィーワの旧市街(シャーリー)より中心部を望む

「エジプトはナイルの賜物」と言ったのはギリシアの歴史家ヘロドトスだが、けだし名言であろう。ナイル河流域を除くエジプト国土の殆どが沙漠である。人間が住む事が出来るのは、スィーワのようなオアシスくらいなものである。
スィーワは巨大な湖の畔に拡がる巨大なオアシスであるが、実にノンビリした所である。何しろ、市街の中心部には舗装道路が走っているが、そこを走るのは自動車ではなくてロバ車である。自動車の喧噪が絶えないカイロやアレクサンドリアから来ると、思わずホッと一息ついてしまう。つきすぎて、気が付いたら1週間ほど経ってしまうらしい。
私も、思わず長居したくなってしまったが、必死の思いで逃げてきた。同じパーム・ツリーホテルに泊っていた他の宿泊客は、皆長逗留組で、
「一泊で出て行くなんて、勿体なさ過ぎる」
「一週間でも足りないくらいなのに」
と口々に言った。確かにその通りであるが、この3日後にイスタンブール行きのフライトを控えていた私は、アモン神殿を見学するという最低限の用事を済ませると、泣く泣くスィーワを出て来たのである。パームツリーが罪作りな宿で、ゆったりくつろげる、良い感じの中庭を持っているから、出てくるのが余計に辛くなってしまった。

レンタサイクル 1日10LE程度

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