☆トルコの国父とアルメニアの象徴の呉越同舟

イラン−トルコ国境にて

この国境ポストのことを、イラン側ではバサルガン、トルコ側ではギュルブラックという。このチェックポストも好い加減だった。イラン出国のときは、「外国人」という理由でX線荷物検査機にバックパックをくぐらせずに済んだし、トルコ側入国ポストでは、あまりの手際の悪さに、まるで初詣の時の祇園社あるいは熱田神宮のごとき人の海と化しているポリスチェックの前の方に無理やり割り込んで「日本人だ」と言ってパスポートを差し出したら、ろくに確かめもしないで入国スタンプを押したので、かえって私のほうが呆れ果てた。
さて、左側の銅像は、トルコ共和国建国の父であるケマル・アタチュルクの写真である。このアタチュルクという名前、実に「トルコの父」という意味だ。その人気は絶大で、ほとんど神様扱いである。トルコの通貨は、貨幣も紙幣もすべて刻まれているのは彼の顔。
で、その奥にそびえているのは、アルメニア人の心の故郷、アララット山である。ロシアに行ったときに驚いたが、アルメニア産のコニャックは、この山を意匠に使い、商品名はなんと「アララット」。それほどまでにアルメニア人は恋焦がれているのに、この山は現在トルコ領。しかもトルコとアルメニアは第一次大戦中の「アルメニア人虐殺」をめぐって仲が悪い。で、アルメニア人はこの山を眺めてため息をつくばかり、というのが現在である。

タブリーズ−イスタンブール直通バス 料金22万リアル
                       (テヘランからのバスに途中乗車)
                       多分テヘランから乗っても30ドルくらい

inserted by FC2 system