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ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボにて
周知のとおり、旧ユーゴスラヴィアで最も巨大な被害を受けたのは、民族、宗教が猛烈に入り組んでいるボスニアである。その首都はサラエボであるが、ここは内戦で最も被害を蒙った所である。市街中心部も、そこに流れている川が最前線となったために、未だに蜂の巣と化したビルが立ち並んでいる。その中心部から西へ7km程トラムで走ったところに、内戦時の西の最前線・オスボロジェーネ新聞社がある。完全に崩れ切っていないところが、内戦時の戦闘の様子を今に伝えているように思う。しかもこの新聞社の人々は、内戦中もこのビルの地下の核シェルターに立てこもって新聞の発行を続けたという。恐るべき執念である。
市内を覆うスモッグのせいだろうか、今でもこのビルからは硝煙やコンクリートが崩れるときの埃が舞い上がってくるような、そんな臨戦感を漂わせていた。
ベオグラード(ユーゴ首都)−サラエボのバス代
:610ユーゴ・ディナール (1ドル=60〜66ディナール) |